会長就任挨拶

我孫子の文化を守る会会長
美崎 大洋

五月二十四日の平成二十七年度総会において選任され、会長を務めさせて頂くことになりました。

歴代会長が築かれました当会の伝統と歴史を考えますと責務の重さに身の引き締まる思いがいたします。

昭和五十四年に志賀直哉邸跡の建売り分譲計画を聞き込んだ市民有志が結集して、同邸跡の保存運動を展開し、我孫子市の市有地として買い上げが決まりました。その保存が決定したあと、有志が中心になって誕生したのが「我孫子の文化を守る会」です。その背景には当時盛り上がっていた「市民の手で創ろう、我孫子の歴史」運動により醸成されていた我孫子市民のまとまりと郷土愛があったと聞きます。現在、我孫子では当会に限らず市民活動団体はいくつかの課題を抱えています。当会はここで原点に立ち返り、特に白樺派について改めて目を向け、強く関心を持って研究し「我孫子の文化を守る会」としての独自性を発揮していきたいと思います。

微力ながら当会の発展に寄与したいと存じますので、今後とも一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願いします。

HOME


 

年頭のご挨拶

我孫子の文化を守る会会長
藤井 吉彌

あけましておめでとうございます。
年末の忙しい総選挙も、結果はこれからの日本を変えることはあまりなさそうで、安堵感と閉塞感が交錯する状況となっています。そんな中、我が会は昨年も着実な活動を続けて参りました。

文化講演会は地元に永くお住まいで地理・歴史がご専門の相原正義氏をお迎えし、「利根川、手賀沼に挟まれた我孫子の人々の営みを考える」をテーマにお話し頂きました。寛永七年(1629)に始まる利根川東遷の壮大な計画、その経過、東京湾に流れていた利根川を流路変更し太平洋に流すという困難な事業を成し遂げた先人の偉業が良く理解できました。また先生の広い学識は昭和20年代から東京の台所を支えた行商のおばさん、さらには手賀沼の鰻にまでおよび、聴衆の皆さんも大満足の様子でした。

第一小学校では当会の作成した杉山英先生の紙芝居に着目され、昨年の創立記念日に全校生徒、父兄、卒業生等600名を集め紙芝居の上演会を催されました。生徒のみなさんは校内掲示板でちらっと見た杉山先生がこんなに偉い先生だとは知らなかったと感心したようでした。

放談くらぶでは「インドを旅して」、「相馬霊場八十八ヶ所物語」等を催しましたが、副会長の伊藤さんは「ドイツ科学史巡礼の旅」と題され、学友と共に十年来ドイツ各地を見聞し、ドイツの化学研究が、リービッヒと言う人物の登場で世界一流になっていった経過をお話されました。日本が湯川博士のノーベル賞受賞で科学研究の分野で一流の仲間入りをする前夜を伺うようでした。

史跡文学散歩は「我孫子にゆかりの文士を訪ねる」をテーマに布川、千駄木、新宿区中井の林芙美子記念館等を訪ねました。

プロジェクト活動もそれぞれのプロジェクトが特色を出して活動を続けました。「百人一首を楽しむ会」では歌を理解するだけでなく歌を多面的に鑑賞することで新しい展開を楽しんでいるようです。「布佐の歴史文化研究」では主宰する戸田さんが会員と江戸時代戸田氏の発祥の地である渥美半島、大垣を訪ね、地元で系図上姻戚関係がありそうな方に出会ったようです。「建築探訪」の会では5月に有明の超高層マンションの建築現場を訪ね9月には筑波山麓の田舎町真壁を訪ねました。この小さな町に100件以上の「登録有形文化財」があることに驚きました。「巨木・名木を訪ねる会」は毎月10人位で我孫子市内の探索に出掛け、これまで140本の巨木(円周3m以上)を特定しました。

これから整理に入り、順次記録を発行予定です。
当会も高齢化が進みますが、これからも皆様と共に溌剌とした精神であびこの文化を堪能する活動を続けてゆく所存です。

我孫子の文化を皆で楽しみましょう。

(平成27年1月)

HOME



会長からご挨拶
我孫子の文化を守る会会長
藤井 吉彌

 この度「我孫子の文化を守る会」の第3代目の会長に就くことになりました藤井でございます。

当会は昭和55年に志賀直哉邸保存運動を母体とした有志により発足し、以来29年に亘る活動の歴史を誇る文化団体です。この間志賀直哉邸保存運動を初め数々の文化的活動を進め、数多くの実績を残してまいりました。

前任の三谷名誉会長は当会発足以来の会員であり、長きに亘り会の運営の中心的役割を担われ、会の発展に尽くされました。私は当会が平成11年に小熊家保存運動を進めている時、市の広報で活動を拝見し、小熊家の市民公開時に当会の活動に興味と共感を持ち、入会しました。今回故あって経験、素養不足の私に会長をとの要請があり、清水の舞台から飛び降りる心境でお引き受けすることになりました。幸い会を支える多数の会員が居られ、また経験豊富な役員に会務を取り仕切って頂いていますので、浅学菲才の身ではありますが、会員の皆さんの意のあるところを実現する会にするため、努力する所存でございます。

水神山古墳が東葛地区で最大であること、新木の貝塚から出土した土器に書かれた人名が正倉院の文書に存在していたこと、越岡副会長の市内史跡文学散歩に参加した折に伺った、日本百名山で有名な深田久弥が志賀直哉の弟子として我孫子にしばらく住んでいたこと、終戦直後の高名な評論家坂西志保が楚人冠邸の外れにお世話になっていたこと等を知り、改めて当地が豊かな歴史・文化的素材に恵まれた地域だと感じます。

当会のここ数年の主な活動は「史跡文学散歩」と「放談くらぶ」でしたが、昨年から活動に自ら参加し楽しむ「プロジェクト」をスタートしました。掘り起こせば豊かな歴史と文化に恵まれた我孫子の地で会員の皆様とともに我孫子を楽しく満喫できればと思います。我孫子で楽しい歴史、楽しい文化を味わいつくしましょう。

HOME