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井上家には現在2棟の倉があります。古い倉は160年前に造られ、新しい倉はその80年後の昭和6年に完成した愛称月光倉です。
江戸倉は古い土壁構造で痛みも激しく、現在覆い屋で囲われています。
昭和倉は80年経過した今でも建物の内外とも大変健全な状態を保っています。
昭和倉の工事は井上二郎が陣頭に立って造った倉で、記録によれば、当時の田舎の建築では想像できない、
新建材、新技術が採用され、更には東京から当時最新の技術を持つ職人を招いて施工されています。
二郎が土木技術者として獲得した最先端技術を、相島新田で取れた米の貯蔵庫工事に採用したことが
昭和倉の健全性を際立たせているのです。
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まだ頑丈な昭和倉 昭和倉内部の木組・壁モルタル塗り
また主屋の北側にある鉄筋コンクリート造で増築された釜屋と呼ばれる炊事場も、 当時の布佐では考えられない最先端の構造で、二郎の技術力が発揮された建物と推測されます。 登録文化財としての井上家住宅は江戸期の代表的な農村建築だけでなく、 近代建築の先進性を実現している倉のある我孫子の大切な文化財となっています。